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取り組み

リハビリテーションと社会保障

2008/09/20

私は、30年近い国会議員生活の中で社会保障制度、とりわけ医療・介護・年金の分野を中心に活動してきた。その長い議員生活の中でも、今日ほど、国民が日々の生活や将来に不安を抱えているときはない。それは、わが国がこれまで経験したことのない、少子高齢社会の到来が主な要因である。

政治の役割は、いつの時代にあっても、国民が安心して生活を営める環境を、いかにしてつくるかにある。そう信じるからこそ、私は医療・介護・年金といった国民の暮らしを守る社会保障政策に尽力をしてきたが、今日の状況には、強い危機感を感じている。今こそ政治がその責任を果たすときだ。そして、社会保障に関するあらゆる専門職が国民のために知恵を絞り、官民一体となったチームとして機能していくことが強く望まれる。

最近、私はリハビリテーションに強い関心を持っている。リハビリは、一人ひとりの利用者の人生経験、教育、環境、個性など、その人の価値観を中心にした医療である。したがって、リハビリはそれぞれ異なった障害や程度、その人の性格などに応じた、理学療法士や作業療法士などの専門職による個別的対応が必要になってくる。介護とは「人が人と対面して看る」分野であり、そこには多くの人材の投与が必要となるが、この介護の基本である「感性」を失えば介護は国民から見放されることになるだろう。その介護の中心にリハビリが座ることが大切だと思う。

もう一つ、リハビリに期待できることとして、リハビリを適切に行うことによって早期に回復することが、労働力の確保につながるという点が挙げられる。回復すること自体、個人として、たいへん喜ばしいことなのは言うまでもないが、さらに働けるようになれることは、わが国の繁栄にもつながるということだ。25年後には、現在よりも労働人口が約1000万人も減少するという推測がある。国家の存亡の危機とも言えるこの労働力不足の危機的状況を打開する意味でも、リハビリとして、以下の取り組みが必要と考えている。

  1. 全ての入院患者が早期復職できるためのリハビリテーションの実施
  2. 全ての労働者から生活習慣病を一掃するための運動療法の実施
  3. 高齢労働者の適正判定と事故防止のためのリハビリテーションの実施
  4. 高齢者の介護予防の実施
  5. 障害者の積極的な就労支援

従来、リハビリは、障害のある方々だけを対象としていたが、今日では生活習慣病予防、転倒予防、介護予防などの予防活動に始まり、従来の「急性期リハビリテーション」、「回復期リハビリテーション」、そして「生活を支えるための維持期リハビリテーション」と、その幅は大きく広がりを見せている。加えて、労働力確保のためのリハビリが整備実行されれば、その社会貢献度は計り知れないものとなる。

国民が、「自らの日々の暮らしに、安心と安定性を感じることができるようになれる」ことが、社会保障の本質である。財源論だけに終始することなく、国民の目線・生活者の目線・高齢者、そして障害者の目線を中心として、リハビリ環境の充実を図ることが肝要だ。リハビリテーション関連専門職の方々の、より一層の活躍を期待したい。